鄙びた街並みが好きな人は数多くいる。そんな人たちの中でも人気の高い五條に行く。五條には、江戸時代から続く商家や、洋風建築、幻の五條鉄道の遺構など、様々な人の趣味を刺激するものが残っている。
僕はとにかく、昔栄えていたが衰退した町が好きである。
途中の南海とJRの乗換駅、橋本にも鄙びた町並みが残っていることを事前にマークしていたので寄ることにする。
紀の川沿いの国道24号線が現在は主要な道路となっているが、その旧道であろう北側の道が今回の散策ルートだ。
旧道沿いには個人商店や病院跡が残っていた。このような街にはよく結婚式衣装の貸出を行っていた店がある。
街並みを巡るとき、できるだけその街の店に行くことにしている。今回はうどん屋と喫茶店に寄った。
喫茶店の店内はとてもきれいだった。なぜかシロップを2つ付けられ、おまけにゆで卵をもらった。
店主のおばあちゃんと一緒にテレビを観ながらコーヒーを飲む。
次に五條に向かった。
駅前から江戸時代の商家が残されている地域まで商店街を通る。
まだ車社会ではなかった頃は、駅までの道として多くの人が歩いていたのだろう。今では近くにイオンが建ち、ガランとしてしまっている。
僕は曲がりくねった狭い道の両脇に商店が並んでいる様子、特に個性的な街頭が並ぶ様子が好きだ。
太陽に照らされ光る街灯がとてもきれいだった。
商店街を進むと今も観光客が訪れる地域にたどり着く。ここのおもしろいところは、歴史的な建物があるにも関わらず、中には洋館が混じっており個性的なところだ。また、電柱が立っているところも個人的にはポイントが高い。電柱の生活感ある町並みが良い。
更に進むと五條鉄道の遺構がある。
古い町並みと鉄道の高架の組み合わせがたまらない。コンクリートのアーチ橋が美しく何枚も写真を撮ってしまった。
五條鉄道は木材輸送のため、新宮から五條を結ぶ目的で建設が計画された。結局、鉄道が通ることはなく、幻の路線となっている。
旅行の時に聴いていた曲やラジオは場所と結びつくよね。