いっぴきこあらの大冒険

ロードバイクで鄙びた集落を巡るブログ

【愛媛県】四国最西端の佐田岬に行く Part1 大浜集落

ずっと行きたかった愛媛の佐田岬に行ってきました。佐田岬半島は全長およそ40km。八幡浜から西に向かって伸びており、佐田岬は四国の最西端です。

八幡浜に向かう

岡山から特急しおかぜと宇和海を乗り継ぎ八幡浜に向かいます。

しおかぜは最後尾の座席後ろに輪行袋が入らないので輪行しにくい。

瀬戸大橋を渡る

松山からは特急宇和海に乗り込む

特急宇和海には制服姿の高校生が多くいました。JR四国はもはや特急を使わないと日常利用も難しいダイヤになっているイメージです。

八幡浜に到着しました。八幡浜には立派なアーケードがあります。ありがちなシャッター商店街かと思ったらそんなことはない。夜なのにちらほら営業しているお店があり人通りもまばらですがあります。

夜の八幡浜のアーケード

八幡浜はすごいと僕らの界隈で言われていますがここまでとは。
せっかくなので八幡浜の居酒屋でたらふく食べてしまいました。これは本日のおすすめ、とらふぐのてっさとウニ。両方とも八幡浜で獲れたものだそうです。

八幡浜のふぐとウニ

僕はウニが嫌いで絵の具の味がすると思っていました。本当においしいウニはおいしいと聞いていたので挑戦しました。これは本当においしかったです。生臭さが全然なく、プリンと醤油を混ぜたらウニになるというのがよくわかりました。

とてもおいしかった

八幡浜の名物の鯛の皮のかまぼこもおいしい。大満足で居酒屋を出ました。

とにかくおいしい

明後日時間があったら八幡浜を歩いてみようと決意し、ホテルに向かいました。

客待ちのタクシーもいる
佐田岬へ出発

起床し、近くのローソンで食料を買い込みます。今日は全工程で100km。ここから60km先まで使えるコンビニはありません。個人商店はあるのですが閉まっている可能性も高いため、重くはなりますが1日分の食料を買い込みます。
今日は八幡浜から四国の最西端佐多岬まで行き、途中の三崎という街の旅館に泊まります。
佐多岬半島は全長およそ40km。尾根に沿って佐多岬メロディーラインという線形の良い道が走っていますが、これは極力回避します。理由としては、とにかく鄙びた集落に行きたいからです。

ちなみに佐多岬メロディーラインは1987年に完成しています。メロディーラインによって旧道となった海沿いの元国道197号線は「イクナ酷道」と呼ばれていたみたいです。

旧道となったことで時代に取り残された集落を巡る。そんなことが僕の趣味なので旧道を進みます。この選択のせいで地獄を見ることになったのですが。

ということで、八幡浜から早速、海沿いの道を行きます。

海沿いのいい感じの道を走る
保内町

保内町に入ります。ここは四国でかなりはじめ(最初?)に電気が通った町とのことです。

町に入る

その土地の地名の入った看板

四国っぽいなあと思いながら進む

驚いたのは洋館の多さです。ハイカラな建物が多く栄えていたことがわかります。

おしゃれな公会堂

後に聞いた話によると、昔は銅山が多くあり栄えていたようです。四国の物流の中心地として八幡浜は栄えた(四国の大阪と呼ばれていたよう)影響でハイカラな建物が多いそう。

自転車と写真を撮ります。背景の急斜面が四国っぽい。

公会堂の裏は穏やかな湾

公会堂の裏側はなんかおもしろい

ゆっくり朝の四国を走ります。

「宝石箱みた〜い」となる風景
大浜集落へ

伊方町を抜け、最初にじっくり巡ったのは大浜という集落。ここの集落がすごくよかったです。

大浜集落の全景

ここにも石垣が積まれている

事前調査では、なんとなくすごそうという感じだったのですが、実際に訪れると規模や建物に圧倒されます。

集落に入っていく

集落の内部につながるメインの通り。

木造の建物だけではなく、比較的新しいコンクリート製の建物もあるのが珍しい。

家屋が密集しているのがたまらない

集落をぐるっと囲む高い位置にある旧道はバスも通り、八幡浜との交通手段となっています。ヘルメットを被った自転車の中学生も八幡浜の方へ向かっていました。

メインストリートはバスも通る

たばこ屋の跡

「ふざけながらの登校」の文字が霞んで見える。子供がたくさんいた時期もあったのだろう

集落内部につながる通りを下っていきます。このような集落で比較的新しい建物に囲まれるのは新鮮でした。

集落内部につながる道

商店跡もある

道を下ると海に出ます。海沿いには広場があります。この広場ではお祭りが開かれるそう。

海沿いの広場

四国っぽくて大好きな風景

 

こういった鄙びた集落はとにかく空き家が多く、人がいないことが多いです。実際、このあと訪れた名取などは空き家だらけでした。しかし大浜から感じるのは圧倒的な生活感。保育所もあり、子供と保育士さんの声が聞こえます。

保育園からは子供と保育士さんの声が聞こえる

良さげな路地がたくさん

集落の内部には沖島を思い出すような良い感じの路地があります。広場に自転車を置き、一旦旧道まで上がり、アクセスできそうな路地を物色します。

一旦登る

注意書きもあるこの階段を下っていく

こういった集落は大好きなのですが、地元の方の生活空間に入ることになるので気を遣います。なるべく開かれている余所者も入れそうな道を選ぶようにしています。

海沿いの集落といった光景

ところどころに石垣が見えます

とんでもなく好みな集落に来てしまったと思いました。

こんなところにも石垣が見える

民家の間を下っていきます

Y字路がありました。消火設備の位置が書かれています

木造住宅が多いため、火事には気をつけているのでしょう

左側には井戸があり路地が続いています

この日を通してなのですが、佐田岬半島はタイムスリップしたような風景が残る集落が多かったです。宝石箱の中の集落というのは大袈裟ではありません。

消火設備のある風景

こういった路地を巡るために旅行している

狭い空間を有効に使うため、ごちゃごちゃした建物が多いです。

空き家になってしまっている建物も多い

赤が映える路地

 

そんな中ある男性に声を掛けられ少しお話しました。大浜も佐多岬半島の特徴である石垣が多いです。石垣について聞くと、名取のほうがすごいよと。地震で崩れてきて大変だと。鉄筋コンクリートの建物は比較的新しい建物で、潮風で傷みにくいようにそうしていると。昔はどこどこに酒屋が、どこどこにコープがあったと。若い人は皆八幡浜の方まで出て買い物をするので、最後は外に出れない老人が使っていたと。今はコープの訪問販売に頼っていると。今は人がいないけどこれは皆みかん畑に行っているから。この集落はみかん畑で成り立っているとおっしゃっていました。

名残惜しいですが集落を出ます

何度も振り返ってしまった

その後、この方のお話でも出てきた名取集落に向かいます。名取集落は石垣集落として有名で昔から行ってみたいところでした。

帰りに郷土資料館で大浜集落についてお聞きしました。大浜集落が比較的人がいて栄えているのは、八幡浜に近い地理的な要因もあるが住んでいる人の団結感がすごいからでもないかとおっしゃっていました。夏には今でもお祭りが開かれていたり、みかん農業では表彰を受けたりしているようです。

 

Part2へ続く