紀伊長島
年末に和歌山に行く用事があり、三重県の漁港を巡った。
熊野からは紀勢道が通っており、無料区間を利用した。これぞ「和歌山の高道」といった、一車線で山をぶち抜くまっすぐな道が続く。土木技術のすごさを見せつけられている気分だ。
紀伊長島は長島湾沿いの漁師町で、旧熊野街道沿いの街だ。古くから漁業や風待ち港として栄えていたらしい。
紀伊長島駅からは少し離れたところに昔ながらの街並みが並んでいる。江の浦を渡るため、2つの橋が架けられている。1つは江の浦大橋。ループして高さを稼いでおり、車は主にこちらを通る。江の浦橋は昇開橋で、車は通れない。
橋が開くとき、アメイジング・グレイスが流れるらしい。
町内を歩くことにする。漁港によくある海と山に挟まれた平地に民家が密集している。海岸線と平行にある程度太い通りが、垂直に比較的細い通りが並び家々をつなぐ。この地域では細い通りを「合い」というらしい。
一通り街中を歩き海岸に出る。さすが漁師町で沢山の船が並んでいた。
九鬼港
尾鷲を経由して九鬼港へ向かう。
行きは高速で通り抜けた区間だ。国道311号線は海岸沿いを走る二車線の走りやすい道路だが、高速ができたためか交通量は少ない。寂れた雰囲気を漂わせているが、こんな道沿いには自分が好きな鄙びた漁村がたくさんある。九鬼(くき)港もそのような漁村の一つだ。
九鬼港の雰囲気は山口県 青海島の通地区に似ていた。「オハイ」と呼ばれるきれいな岩場が話題で登山道も整備されたため、観光客が数名訪れていた。
おもしろかったのは晦日に訪問したため、至る所に正月の飾り付けがされていたことだ。名前がわからないが、街中に「大々漁」と書かれた飾りが竹で吊るされていた。さすが漁村である。船にももちろん大漁旗が取り付けられていた。
九鬼港の路地はとても狭く曲がりくねっている。すぐに自分がどの方角を向いているのかわからなくなる。たまに目立つ看板があるとそこを目印にすることになる。
最後に海沿いの漁港に向かう。ここにも飾り付けがしてあった。太い二車線の道路をまたいでおり大々的だ。
「オハイブルー」と呼ばれるだけあって海はとてもきれいだった。
最後に海辺でみかんを食べて次の漁港に向かった。
磯崎港
最後に訪れたのは磯崎港だ。
調べていたら地盤沈下したと地震の際に記載があった。その影響か、居住部が一段高くなっている。
神社があるので寄ることにした。地元の方が正月の準備をされていた。
このように段差になっている漁港は初めて見た。今回は海沿いしか歩かなかったが、かなり奥行きがある。今度またゆっくり自転車で回りたい。