いっぴきこあらの大冒険

ロードバイクで鄙びた集落を巡るブログ

【北海道】特急宗谷 運転打ち切り 代行タクシーで札幌へ向かう

2023年10月3日 稚内19:44発札幌行きの特急宗谷が、音威子府駅で運転打ち切りとなり代行タクシーで札幌に行くという珍しい体験をしたときの記録です。

 

17:48 南稚内駅から宗谷に乗り込む

稚内南稚内の街並みを散策した後、宗谷の指定席に乗りました。乗客はまばら。半分ぐらいが外国の方でした。

稚内を散策したときの記事

ippikikoala.hatenablog.com

23:00札幌着予定。これから5時間12分の長旅です。セイコーマートご飯を食べた後、PCを開いて写真選別をしていました。

セイコーマートは神
19:30頃運転打ち切りのアナウンス

天塩中川に停車した後、列車は順調に走っていました。

次が音威子府か、天北線の分岐駅として音威子府を知っていたのもあり、いつか行きたいなと考えていました。

すると車掌さんからのアナウンスが、

「現在、前を走る列車とクマが衝突し、ブレーキ装置が故障したとの連絡を受けました。」

あークマかあ、こりゃ遅れるなあ。ブログに上げたい写真もたくさんあるし作業するかあ。。。なんて気楽に考えていました。

「そのためこの列車は次の音威子府駅で運転を打ち切ります。代行バス等の手配については本社と連絡しております。」

あっさり決まった運転打ち切りに唖然としました。いや待ってくれと。地図を開くと音威子府はかなり札幌から北で高速を使っても3時間半、250kmあります。

クマを車体下に巻き込み、この列車に乗っていた高校生1人と運転手は13時間閉じ込められたらしい。

www.hokkaido-np.co.jp

19:45頃音威子府で運転打ち切り

音威子府駅に列車は停車。ドアが空いたので外に出てみると、列車の表示は回送になっていました。

音威子府駅(札幌から250km)で運転打ち切り

(ぶれぶれですが)回送表示になっていました


車掌さんが車内にやってきて皆の最終目的地を聞いていました。ほとんどの人が札幌まで向かうよう。外国の方には近くの通訳できる方が間に入り説明していました。

車掌さんから代行バスとタクシーを手配しているとのアナウンス。

タクシーと言ってもここは音威子府。車で約1時間(70km)の士別からタクシーを手配しているようで、到着まで車内で待つように言われました。

車掌さんから軽食と飲み物を配布するとのアナウンス。カロリーメイトと水が1つずつ配られました。音威子府駅の駅員さんも手伝っていました。

21:00 旭川に向かう人は待合室に移動するようアナウンス

 

僕がいた号車では札幌まで向かう人がほとんどだったため、降りていく人は少なかったです。とりあえずタクシーの手配は進んでいるようで、札幌に戻れそうなことに安堵しました。

 

21:30 代行タクシーに乗車するため待合室に移動するようアナウンス

ついに札幌に向かう人も待合室に行くようアナウンスがありました。たくさんの人が降りて行きました。一人旅の人が多く、慣れているのか皆かなり落ち着いているのが印象的でした。外国人の方は外国人の方で自然に固まり話をされていました。

運転打ち切りとなった宗谷号を降りる

駅舎でしばらく待つ。このような形で音威子府を訪れることになるとは思ってもいなかった

待合室で待っている人は20人程度。中には輪行袋を持っている方もいました(話を聞くと、大阪から宗谷岬まで縦断したそう)。

少し霧がかかっている音威子府の街は幻想的でした
21:56 ジャンボタクシーで旭川

旭川でタクシーを乗り換えて札幌に向かうそう。20人が二手に分かれ2台のタクシーに乗り込みました。タクシーは士別のもの。JR北海道の乗務員さんも乗り込み出発しました。この時点で22時。日付が変わってからの札幌到着となることは確定です。

 

ジャンボタクシーで旭川に向かいます

士別のジャンボタクシーです


オレンジ色のナトリウム灯に照らされた霧の国道を走っていくのは異世界感がありました。ジャンボタクシーは所詮ハイエースなので乗り心地がすこぶる悪く、眠ることはできずずっとラジオを聴いていました。

途中からタクシーは高速に乗り、23:42旭川に到着しました。

24:06 旭川駅を出発

ここからは3〜4人に分けられ、個人タクシーに分乗し、札幌駅に向かいました。

札幌までひたすら高速を飛ばして行きます。

同乗したのは日本人の方1名と台北から来たという台湾人の方。最終目的地を聞くと皆すすきの周辺のホテルだったため、すすきのまで行ってもらうようお願いしました。

 

僕は助手席に乗ったので、眠気覚ましのためだったのか、70歳ぐらいの運転手さんといろいろなお話をしました。

特に印象的だったのは、昔はJRが一番貧弱な交通手段になっているというお話でした。その方は個人タクシー界隈のお偉いさんなようで、よくJR北海道から依頼を受け配車するそうです。昔はJRが一番災害に強かったが、今は一番止まるとおっしゃっていました。確かに、去年も大雨で特急北斗が運休となり、函館に急遽泊まったことを思い出しました。

また、運転手さんは次の日が誕生日なようで、娘さんたちと焼肉に行くことをうれしそうに話していました。

26:24 すすきのに到着

 

すすきのに到着。ホストの広告がおもしろい

次の日は6:30発の特急に乗る予定だったためそそくさとホテルに向かいました。

タクシーのメーターを見ると、¥46,000の表示。おそらくタクシーは6台ほど出ていたので、旭川-札幌だけでも30万近い出費になっているはずです。もちろん運賃は全額JR北海道が支払ってくれます。

 

区間赤字なことで有名なJR北海道。運転打ち切りとはいえ、原因は熊との衝突という自然現象。冬は大雪があり、夏は大雨のある北海道での鉄道運営の厳しさを思い知らされました。昔のように石炭貨物が元気であれば良かったのですが。。。

JRに分割された際、ハンデを持つJR北海道には莫大な運営安定基金が渡され、その投資利益で赤字分を補填するはずだったらしいですが。。。