いっぴきこあらの大冒険

ロードバイクで鄙びた集落を巡るブログ

【兵庫県】神子畑選鉱所と明延鉱山の集落跡を巡る

兵庫県には産業遺産に指定されている鉱山跡がある。

その中でも神子畑選鉱所(みこばたせんこうしょ)と明延鉱山について紹介する。

播但線で生野から向かうことが多い。生野→神子畑→明延→朝来のルートがロードバイクで走るのにちょうどいいのだ。

酷道」と呼ばれる429号線を走ると鉱選所跡が見えてくる。ここで明延鉱山で採れた鉱石を分類していた。分類には比重を利用するらしく、設備は斜面に沿って作られている。最盛期には3000人程度が働いていたようだ。集落も周辺にはあったのだがだいぶ前に解体され、当時の様子を偲ぶものは少ない。

神子畑選鉱所跡。

 

液体中の固体を分類するシックナーが目を引く。内部には電気設備が残されている。

シックナーの跡。

電気設備が残されている。

ロッコの軌道跡。

神子畑選鉱所は記念館もあり、生野銀山ほどではないが観光地化されている。国道沿いの立地もあるのだろう。ここから山を越えた先にある明延鉱山跡とは対照的な印象だ。

「ふれあいの水」と呼ばれる湧き水を汲み、太陽光パネルの大規模工事が行われている富士野峠を越えて明延に向かう。

富士野峠を越えて明延に向かう。

神子畑選鉱所と明延鉱山は長いトンネルを通る明神電車によってつながれていた。

明延鉱山はスズが採れ、採掘はなんと平安時代から行われていたらしい。銅にスズを混ぜて作る青銅は、石器時代から文明を大きく進歩させた金属だ。明延鉱山はもともと官営だったが、三菱に払い下げられた。最盛期は4000人程度が働いていた。プラザ合意後の円高の影響で1987年に閉山した。

鉱山設備は解体されてしまっている。昔は鉱山跡にも入れたようだ(不法侵入だが)。集落跡は残っている。商店が並び栄えていたことが感じられる。特にピンクの公衆浴場が特徴的だ。仕事終わりに風呂に入り汚れを落とすのが楽しみだったと、鉱山関係の資料を読んだことがある。

明延鉱山の集落跡。

このたばこ屋跡はなんと売物件だ。

商店跡が並ぶ。

集落は一本の道の両脇に形成されている。

公衆浴場跡。中は資料館になっている。

また、社宅跡が残されている。これは北星長屋社宅だ。何棟も建っているがだれも住んでおらずひっそりとしている。

北星長屋社宅跡。

「みんなでワッショイ 但馬はひとつ」

何度行ってもこんな山の中に大勢の人が住んでいたことに驚く。ロードバイクで行くと地形を感じられてとても良い。