建築学科出身の妻の影響で、埼玉県宮代町の公民館「進修館」に行った。
進修館は象設計集団という建築アトリエ事務所が設計した建物だ。象設計集団は北海道の学校に本拠地があり、彼らが設計した帯広の北海道ホテルや、森の交流館にも訪れたことがある。
進修館は東武動物公園駅から徒歩数分のところにある。駅から歩いていくとまずその全景が見える。円弧を描いていて特徴的だ。施設は自由に出入り可能である。
入った瞬間圧倒された。1980年に作られた建物で、新しいわけではないが古臭さを感じない。洗練されているのに無機質さはなく、暖かさがある。ここが公民館であることを忘れてしまう。
円弧の外側に部屋が並んでいる。それぞれの部屋の前には看板のようなものが置かれている。
集会室の内部を見て驚いた。象設計集団は家具の設計もしているらしく、独特な机と椅子が置かれている。ぶどうが宮代町の特産品であり、ぶどうの模様のガラスが机に入っている。光が当たるとキラキラしてきれいだ。象設計集団の作る建物の特徴に土着的なことが挙げられる。他の建物だが、壁に地元の砂が使われていたりするらしい。
次に食堂を見ることにする。食堂は芝生の広場でイベントをするときの炊き出しなどに使われるらしい。400円/時間で借りられる。
ガスコンロやシンクが設置されており、機能的だが暖かい不思議な空間になっていた。机は曲線的で部屋によく馴染んでる。
次に研修室を見る。おもしろいかたちの椅子をしている。建物全体として様々な装飾が施されているが、それでいて野暮ったさを感じない。
建物の裏側にも入り口がある。光の入り方が良い。
スロープを上がって建物の二階に行く。曲線的で柔らかい通路から一転、太陽光の差し込む現代的なスロープになっている。青空が見えてとてもきれいだ。
建物全体に多様な空間が存在するが、パッチワーク的ではなくまとまっている。
二階から外の芝生に出ることができる。一階部分の内側は地下になっているのだ。これは土地の地形を活かした構造なのだろうと想像した。
二階では有名なアーチを見ることができる。
北海道ホテルに引き続き、象設計集団の設計した進修館を見た。象設計集団の建物の土着的で多様な空間を組み合わせるのはおもしろい。他の携わった建物にも訪問してみたい。