ライラックで深川へ
好きなYoutuberが「葬式のときだけ遺産目当てに集まる親戚みたいなもん」と言っていたことをやりに行く。
もう2度と乗れないこと、「汽車」の走る街を見れないことを思うと今行くしかない。
来年4月に廃線になる留萌本線に乗ること、羽幌炭鉱で栄えた街を見ることを目的に北海道に向かった。
新千歳空港から札幌を経由して深川へ向かう。この土日は真冬並みの寒さとなり、日本海側は吹雪くところもあるとの天気予報通り、外は真っ白だった。
留萌本線
深川駅に留萌へ向かう車両が入線する。先頭は雪にまみれている。
留萌本線は深川から留萌を結んでいる。日本海側を増毛まで伸びていたが2016年に廃止となった。昔は留萌から羽幌まで鉄道が伸びていた。急行ましけやはぼろも運転され、将来的には日本海側を札幌まで延伸する予定だったらしい。
思ったより混んでいなく、窓側の席に座れた。利用者は5人程度。後は「訪問者」に分類されるだろう。
線路は国道233号線とほぼ平行して走る。そちらにはバスが走っており、帰りはそちらを利用した。
留萌を散策
留萌駅に到着する。待合室からはにしんそばの良い香りがする。
駅舎は廃線後に取り壊されるらしい。昔はここから二方向に線路が分かれていたと思うと感慨深い。昔の賑わう留萌駅の写真を見て、最初で最後の汽車の走る留萌を散策する。
留萌は日本海に流れる留萌川沿いの平地に街があり、周囲を山や丘で囲まれている。古くはニシン漁、そして大和田炭鉱が近く港町として栄えた。ニシン漁が廃れてもなお、数の子の生産量は日本一らしい。人口はおよそ2.2万人。最高を記録した1965年のおよそ半分。
栄えた街らしく「北海道的看板建築」と呼ばれることもある建物が並ぶ。商店街やスナック街がある。「有楽トンネル」と書かれた抜け道のようなものもある。
商店街を抜け、坂を上る。ほとんど除雪されていない道もあり、とても歩きにくい。
羽幌へのバスまで時間があったため、留萌港まで歩く。やはり日本海は暗い。どんよりした港が祖父母の家のある室蘭を思い出す。室蘭も歩きたいな。
やはり日が暮れるのが速い。16時なのにもうすっかり暗くなってしまった。自分が北に来ていることを感じる。羽幌に向かうバスを待合室で待つ。暖房は薄くしかかかっておらず寒い。